古いパソコンから取り出した内蔵HDDを「外付け化」して再利用できれば、大容量のストレージを手軽に確保できます。しかし、実際にやろうと思うと「ケースやケーブルはどれを選べばいい?」「認識しないときはどうすればいい?」と悩む人は多いです。
そこで本記事では、初心者でも分かるように、内蔵HDDを外付け化する手順から認識しない場合の対処法まで徹底解説します。余っているHDDを有効活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
内蔵HDDを外付け化するための手順
内蔵HDDを外付け化することで、古いパソコンから取り出したHDDを再利用したり、大容量の外部ストレージとして使うことができます。手順はそれほど難しくなく、正しく進めれば初心者でも問題ありません。必要なものを揃え、HDDを初期化・フォーマットすることで、すぐに外付けHDDとして使用可能になります。ここではステップごとに分けて、分かりやすく解説していきます。
HDDと外付けHDDケースを用意する
まず最初に必要なのは、HDD本体とそれを収納する外付けHDDケースです。外付けHDDケースは、HDDを保護しながらUSBでパソコンに接続できるようにするケースで、家電量販店やネット通販で2,000円前後から購入できます。
もしケースを用意しなくても、SATA-USB変換ケーブルを使えば直接接続することも可能です。また、HDDだけでなくSSDでも同じ手順で外付け化が可能です。まずはご自身のHDDのサイズ(2.5インチか3.5インチか)を確認し、それに合ったケースやケーブルを用意しましょう。誤ったサイズを選ぶと取り付けられないので注意が必要です。
HDDの構成を見る
次に、取り付けたHDDが正しく認識されているか確認します。Windowsであれば「ディスクの管理」、Macであれば「ディスクユーティリティ」を使い、HDDの構成をチェックします。ここで重要なのは、どのディスクが外付け化したHDDなのかを見極めることです。
誤ってシステムディスクを操作してしまうと、パソコンが起動しなくなる危険があります。外付けHDDは「未割り当て」と表示される場合が多いため、まずはその状態を確認しましょう。構成を見ることで、次の初期化・フォーマット作業に備えられます。
HDDを初期化する
外付け化したHDDを利用するためには、まず初期化を行う必要があります。初期化とは、ディスクを使用できる状態に整える作業のことです。Windowsでは「ディスクの管理」から対象のディスクを右クリックし、「ディスクの初期化」を選択します。
このとき、MBR(マスターブートレコード)かGPT(GUIDパーティションテーブル)のどちらかを選ぶ画面が表示されます。一般的に2TB以下ならMBR、2TB以上ならGPTを選ぶのが適切です。初期化を行うことでHDDは使用可能な状態になり、続いてフォーマット作業へと進むことができます。
HDDをフォーマット化する
初期化が終わったら、次はHDDをフォーマットします。フォーマットとは、データを書き込むための仕組みを整える作業です。Windowsでは「新しいシンプルボリューム」を作成し、NTFSやexFATといったファイルシステムを選択します。
NTFSはWindows専用で安定性に優れ、exFATはWindowsとMac両方で使えるため、用途に合わせて選びましょう。フォーマットを実行すれば、外付けHDDとして利用できるようになります。この段階でパソコンからドライブとして認識され、データの保存や移動が可能になります。これで内蔵HDDの外付け化は完了です。
内蔵HDDを外付け化しても認識しない場合の対処法
内蔵HDDを外付け化したのにパソコンで認識されない場合、いくつかの原因が考えられます。代表的なのはドライブ文字の未割当、接続不良、フォーマット未実施、電源不足、ドライバーの不具合などです。こうした問題は初心者でも簡単に確認・解決できることが多いため、落ち着いて一つずつチェックしていくことが大切です。ここでは、認識しないときの具体的な対処法を紹介します。
ドライブ文字の割当をする
外付けHDDが正しく接続されているのにエクスプローラーに表示されない場合は、ドライブ文字が割り当てられていない可能性があります。ドライブ文字とは、Windowsで「D:」や「E:」といった記号のことです。これが設定されていないと、HDD自体は認識されていても表示されません。
対処法としては「ディスクの管理」を開き、対象のディスクを右クリックして「ドライブ文字とパスの変更」から新しいドライブ文字を割り当てます。これでエクスプローラーにも表示されるようになり、通常通り使用できるようになります。
正しく接続する
意外と多いのが、ケーブルの接続不良です。HDDケースやSATA-USB変換ケーブルを使っている場合、コネクタ部分が浅く差し込まれていると正常に認識されません。特にHDDは振動や位置のズレで接続が緩むことがあるため、根元までしっかり差し込まれているか確認しましょう。
また、USBポートの接触不良や、USBハブを経由して接続している場合もトラブルの原因になります。できるだけパソコン本体のUSBポートに直接接続し、安定した接続を意識すると改善することが多いです。
フォーマットされているか確認する
HDDが認識されない原因として、フォーマットが未実施であるケースもよくあります。新品のHDDや、内蔵から取り出したままのHDDは、フォーマットされていないことが多いです。フォーマットがされていないと、エクスプローラーに表示されず使用できません。
「ディスクの管理」で対象のディスクが「未割り当て」となっていれば、右クリックして「新しいシンプルボリューム」を選び、NTFSやexFATでフォーマットしましょう。これによりHDDが使用可能な状態になり、正常に認識されるようになります。
タコ足配線などをやめ電源不足を解消する
外付けHDDは内部のディスクを回転させるため、十分な電力供給が必要です。特に3.5インチHDDは消費電力が高く、電源不足になると認識されないことがあります。USBハブを使ったタコ足配線や、電力供給の弱いポートに接続していると動作が不安定になるため注意が必要です。
改善策としては、パソコン本体のUSBポートに直接接続する、セルフパワータイプ(電源付き)のUSBハブを利用する、あるいはHDDケース付属のACアダプタを使用する方法があります。安定した電力供給を確保することで、認識の問題が解消されるケースは多いです。
ドライバーを更新する
最後に確認したいのがドライバーの不具合です。外付けHDDを接続したとき、WindowsやMacが自動的にドライバーを認識しますが、古かったり不具合があると認識できないことがあります。Windowsの場合は「デバイスマネージャー」を開き、ディスクドライブの項目から対象HDDを右クリックし「ドライバーの更新」を実行しましょう。
また、USBコントローラのドライバーも更新すると改善する場合があります。最新のドライバーを適用することで、接続トラブルが解決し、正常にHDDを利用できる可能性が高まります。
まとめ
内蔵HDDを外付け化することで、不要になったHDDを新しい外付けストレージとして再利用できます。手順としては、まずHDDケースやSATA-USB変換ケーブルを準備し、正しく接続したうえで「初期化」と「フォーマット」を行えば使用可能です。
もし認識しない場合でも、ドライブ文字の割当や接続の確認、フォーマット状況、電源不足やドライバーの更新といった基本的な対処法で解決できるケースが多いです。こうした方法を知っておけば、外付けHDDとして安心して使えるようになります。
さらに、中古HDDやSSDをうまく活用すれば、大容量のデータ保存先を安価に確保できるのも魅力です。ストレージを追加購入する前に、まずは内蔵HDDを外付け化してみるのがおすすめです。